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トワノクオン特集



<前編>はこちら
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■ビジュアルに隠された秘密

――我々が一番最初に観ることになったティザービジュアル(※注3)では、先ほど伺った「心優しく穏やかな」というお話とは違う印象を受けました。

「じつはこれは、我々がアフレコに使う台本の表紙にもなっている絵なんです。それで僕もビックリしまして、こんなに傷ついて、しかも四方八方から矢を放たれて刺さっているという状態の、結構ショッキングなビジュアルじゃないですか。ただ、矢を放っただろう相手に対しての恨みがましい表情をしているわけではなく、意思の強さ……自分の信念に基づいて行動しようという表情をしているという点では、僕は意外と納得はいっているんです。
こういう状態にある理由。何故クオンが戦いに身を投じるのか、そこまでして守らないと行けないものとは何か、というのは、自分は事前に説明を受けているので……。でも、確かに僕が言っている「心穏やかな、誰でも分け隔てなく優しく接する少年」というところからは、ほど遠いビジュアルかもしれませんね」

――宣伝文にはバトルアクションという文言もあるので「アクション的な部分ではこうなるのかな?」といった想像もできます。

「それはありますね。この作品は“ハイクオリティSFバトルアクション”と銘打っているので、そのとおりアクションシーンやバトルシーンが最大の売りだと思います。
バトルシーンに関しては本当にめちゃくちゃに動きますから、当然このように傷ついていくところもあると思うので、そういったところを表現しているという点では、このビジュアルは間違いないと思います」

――しかし、疑問もあります。作品説明では舞台が近未来とあるのに、ここにあるのは矢。その違いからも想像がいろいろ膨らんできます

「まさにその通りですね。近未来を舞台にしているのに、ともすれば戦国時代に使われていそうな矢があるのか。というのも……。それにハッキリと答えてしまうと、かなり確信に近いところへ触れてしまう気がするので、そこはボンヤリとさせるとして(笑)。ただそういうところも含め、全てに意味があると思って下さって結構です。
それこそ、クオンが力を使っているインサニア・クオンの状態、その変化した姿のデザインが何故左右非対称なのか、そこにも何かしらの意味があります。そういった部分に関しても、この矢と同様にストーリーを追って行くとその理由が分かって行くと思います」

――このビジュアルだけでなく、今の段階で我々に提示されている設定やテキストにも、ストーリーに関する様々なヒントが既に出ているんですね。

「これは第2章が上映される頃に言おうかなと思っていたんですが、ぶっちゃけタイトルにもヒントが凄く含まれているんです(笑)」

――タイトルを音で聞いた時、おもわず漢字で置き換えてしまったのですが。

「漢字もそうでしょうが、片仮名っていろんなモノを想像し得る文字だと思うんです。だから僕は片仮名って凄く好きなんです。なので、この片仮名のタイトルからもいろんなことを感じ取っていただいてもいいかなという気がします。……大分話をしちゃいましたね(笑)」

■緊張のアフレコ現場

――『トワノクオン』は全6章。第1章がテレビ作品2本分の長さがありますから、より楽しめそうですね。

「やっている側は非常に大変なんですけど(笑)。頑張って収録しています。
本来、この長さの作品だと、だいたい3ロール(※注4)から4ロールにわけて収録することが多いんです。例えば、30分枠のテレビシリーズならCMが入るタイミングで分けて2ロール、アバン(※注5)があれば3ロール、そういった形が一般的です。ですが、今作では2ロール。1ロール分の収録が30分枠のテレビシリーズを休まずぶっ通しで収録する感じなので、非常に体力がいるんです。
しかも、若林音響監督のスタンスとして、誰かがミスをしても収録を止めないんです。音響監督によってはミスが出るとそこで収録を止め、その前のキリの良いところからリスタートすることもあります。ですが、緊張感を途切れさせたくないということで、ミスが出てもまるっと1ロール止めずに収録するんです。
1ロールが長いので、自分の中でも緊張感を保っておかないと、本当に思わぬミスを生むことがありますし、スタジオ内での立ち振る舞いも……イスから立ったり座ったりする時のノイズがセリフに乗っかったりするだけでも、後々そのセリフを録り直さないといけないから、非常に気を使いますね。それが2本分あるので、それはもう……。
また、オリジナル作品ということもあって、この作品にしかない用語などもいっぱい出て来ます。それを扱うにあたっても、自分の中で消化しきれていないと、訳のわからない単語として伝わってしまいますから(笑)。そういったこともなくして行こうという姿勢も他のキャストの方の中にも見えて、本当にいい緊張感の中で仕事をさせていただいています」

――ちなみに、第1章の収録で気になったキャラクターはいますか?

「各々のキャラクターとの関係性が見えて来るという点では、ユリとテイは非常に好対照だなと思います。ユリは「クオン」と呼び捨てにするけど、テイは「クオン様」と呼びます。僅かな違いかもしれませんが、クオンという役をより複雑にみせるひとつの要因になっていると思いますので、そういったキャラクターたちにも注目してほしいなと思います」

■テレビ特番で先行映像を観たら、劇場へ!

――劇場での上映の前に、テレビで特番が放送されるそうですね。

「『トワノクオン』第1章の一部を、テレビで先んじて放送させていただくことになりました。僕もどこからどこまでを放送されるのか分かっていないんですけど、ただ、先駆けてお観せするにあたっては当然、相当良いシーンなのは決まっているだろうと(笑)。先ほどもいいましたが、この作品はアクションシーンは大きな魅力のひとつだと思うので、そのアクションをどこまで観せてくれるのか、僕も期待しているんです」

――心穏やかなクオンからインサニア・クオンへの変化、クオンを取り巻くキャラクターたちも気になります。

「もちろん、そういったところもお観せできると思うので、もしご覧になれる環境の方は是非観ていただいて、劇場への期待を膨らませてもらえると嬉しいです」

――そしてその後は是非、劇場の大きなスクーンで。

「劇場ってその作品だけを楽しめる空間じゃないですか。大きな画面と高音質のオーディオ設備で観ていただけるので、非常に贅沢な環境だと思うんです。そういう大画面とクオリティの高い音響設備に掛けても遜色のない、そんなシステムに相応しい作品に仕上がってくると思いますので、その一部ですがテレビでご覧になって、その完成形を劇場の贅沢な空間で観ていただけたら嬉しいですね。むしろ観ていただきたいです」

――それも、今回は6本あります。

「『トワノクオン』は群像劇なので、ただでさえ登場人物が多いんです。クオンたちだけでなく、彼に敵対する側に関しても複雑なものを背負ったキャラクターが登場してきます。そんなキャラクターが徐々に増えていってしまうんです(笑)。第2章、第3章と当然期待を裏切らない内容に進化していってますが、そこは続けて観ていただけたらありがたいですね」

――普段アニメをあまり観ていない方にも観ていただきたいですね。

「アニメーションにあまり詳しくない方、興味のない方からしたら、どんなアニメーションでも同じに観えてしまうのかもしれませんが、『トワノクオン』は豪華で優れたスタッフたちによって作られている非常に贅沢で特別な作品であるということは言えると思います。
また、アニメーションの原点であるところの絵が動く=アクションを最大限に魅力的にみせられるスタッフが作っている作品で、そこが大きな作品の魅力のひとつにもなっています。
劇場に足を運んでいただいて観ていただくに相応しい、観ていただければ必ず満足していただける、面白いと思っていただける作品に仕上がっていくと確信していますので、安心して劇場に足を運んでいただければと思います」

――全6章、楽しみにしています。ありがとうございました。

取材・文:小林 治
(2011年5月 都内某所にて)

※注3:画像参照。
※注4:フィルムを幾つかに分け巻いて保存していたことから、今も使われている単位。
※注5:オープニング曲の前に付く短い本編映像。

<神谷浩史プロフィール>

青ニプロダクション所属。近年の代表作は『機動戦士ガンダム00』『さよなら絶望先生』『夏目友人帳』『ハチミツとクローバー』『マクロスF』(いずれも主役もしくはメインキャスト)など。声優アワードでは、史上初の主要三冠(主演男優賞、パーソナリティ賞、サブキャラクター男優賞)を獲得。
声優業以外にも幅広く活躍しており、アーティストとしてソロ作品をリリースしている。入野自由と組んだユニット「KAmiYU」は今年8月に1stミニ・アルバムをリリース、今夏にはツアーも開催する。

アニメぴあ/神谷浩史『トワノクオン』インタビュー <前編>はこちら

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